はじめに
2018年度のSecHack365 思索駆動コースに選考されて2019/3/8に修了したので1年間の思い出をまとめてみました。
次年度の応募を検討している方は少し参考にしてみてください。
(今見てる方で参加条件が合う方は応募すべきです!!!)
目次
まず自己紹介(応募時)
まず、僕は高校生の時に参加しました。
主にAtCoderやCTFに関する勉強をしていました。
特にイベントなどには参加したことがなく、SecHackが初の参加でした。
SecHack365とは
若手セキュリティイノベーター育成プログラム SecHack365は、25 歳以下の学生や社会人から公募選抜する 40 名程度の受講生を対象に、サイバーセキュリティに関するソフトウェア開発や研究、実験、発表を一年間継続してモノづくりをする機会を提供する長期ハッカソンです。
というものです。
2017年度から始まったプログラムなので僕らは2期生となります。
SecHack内では講師をトレーナー、受講者をトレーニーを呼びます。
主 催:国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
実施期間:2018年5月〜 2019年3月 計7回の集合イベントおよび通年の遠隔開発実習
場 所:日本全国各地
2018年度の集合イベントは
5月:神奈川、6月:北海道、8月:福岡、10月:山形、11月愛媛、2月:沖縄、3月:東京
でオフライン回がありました。
年度によって場所が変わるかもしれません。
宿泊ですが東京回以外は2泊3日でした。
泊まる部屋ですがだいたい3.4人部屋で毎回ランダムなメンバーになっていました。
2018年度からコース制になりました。
■表現駆動コース
まず最初に、「興味があるもの」や「作りたいもの」を発表や議論を通じて表現し、練りあげながら進めるコースです。表現したものに対して、いろいろな人からのフィードバックを集めて、作品として仕上げていきます。進捗や課題等も定期的に発表、議論をして、作品作りを進めてもらいます。■思索駆動コース
身の回りにある、「ちょっと気になるささいな問題」にまなざしを向けるところから始め、その問題の解決をじっくり考えながら進めるコースです。思索と対話の繰り返しを通して、「問題の解決を実現できるサービスやシステム」を考案し、試作、実装、ローンチまで漕ぎ着ける根性が求められます。■開発駆動コース
興味ある技術や作りたいものに対して、早速開発を始めるコースです。
まずは興味ある技術や自身が作りたいものを作ります。もしくはトレーナーの判断で勉強から始めてもらう場合もあります。
僕は思索駆動コースで参加しました。
応募時にコースごと応募内容が異なったので次年度のコース説明が公開されたら参加したいコースをある程度考えていた方がいいと思います。
2019年度はコースが5つに増えました!!(新しく2つ追加)
■学習駆動コース
興味ある技術や作りたいものに対して、付加的な学習をしながら開発を進めるコース。付加学習により他技術や他分野を知ることで、作るもののアイディアの幅を広げる。■研究駆動コース
研究的プロセスに基づいたアイデア、仮説立案と検証評価を重視したコース。研究者的なスキルを磨いて、将来の研究者になり得る人材を育成する。
自分が挑戦したいと思うコースに応募するのが
選考(合格)への近道!
2018年度版
参加条件
日本国内に居住する25歳以下の方 (2019年3月31日時点の年齢)
必要経費
約50万円(学生については全額補助)
学生の方はありがたく参加が可能です。
倍率は約7~10倍くらいだと思います。
参加者の年齢層は大学生や大学院生が多かったです。
高等学校のトレーニーは僕も合わせて5人でした。
受講決定者(2018年度)
社会人:6名 大学院:11名
大学(学部):20名 専門学校:1名
高等専門学校:5名 高等学校:5名
中学校:2名
計50名
表現駆動コース:23名
思索駆動コース:11名
開発駆動コース:16名
2018年5月7日時点
応募時
2018年度の応募期間は
・募集開始日: 4月2日(月)
・課題フォーム申込期限: 4月17日(火) 17時(日本標準時)
・課題フォーム提出期限: 4月20日(金) 17時(日本標準時)
となっていました。
事前に申し込みが必要なので注意です。
僕は半年前くらいにSecHackの存在を知り、応募しようと考えていたので
2日に申し込みをして、応募内容をじっくり考えて20日に提出しました。
僕は「世間で一般の方が受けるセキュリティ被害を減らした!」という大きなテーマから具体的なフィッシング詐欺や不正アプリによる被害をどのようにすれば減らせるのかを自分なりに考えて応募項目にまとめました。
応募内容で苦戦したのが文字数がある程度決められていたのでそこまで減らす作業が大変でした。
応募提出期限から選考期間が約二週間くらいあってそのあとに合否通知がきます。
合否連絡は5/2の日に全員に知らされました。(2019年度は5/7までらしいです)
選考された方は電話とメールが来ました。
僕の場合は学校から帰っている途中で電話が来ました。
2019年度
・募集開始日: 4月1日(月)
・課題フォーム申込期限: 4月16日(火) 17時(日本標準時)
・課題フォーム提出期限: 4月19日(金) 17時(日本標準時)
2019年度の募集が開始されました!https://t.co/F6DDnt9SZd#SecHack365
— SecHack365 (@SecHack365) April 1, 2019
5月 神奈川回
神奈川回(横浜市)は5/18(金)~5/20(日)に行われました。
僕は神奈川県に住んでいるんでとても楽に行けました。
8月の福岡回以外は全て金曜~日曜という予定で組まれているので金曜日は休まなければいけません。
僕の場合は高校に話したら公欠扱いになりました。
初の顔合わせの場だったので少し緊張しました。
初日は開会に挨拶や一年間の取り組み、マンダラートなどの話があり、トレーナーの紹介や交流会などが行われました。
2日目はアイディア出しとコースワークを習慣化についての話がありました。
コースワークは午後から行われて初めてコースのメンバーがそろう場でした。
急な条件での自己紹介や自分が応募当時書いたテーマなどを対話して意見交換などをしました。
最終日にも午前中にコースワークがありました。
哲学的な話をしたり、対話と思索を繰り返し行いました。
神奈川回の思索駆動コースは主に応募当時に考えていたアイディアをお互いに話して「なぜ必要なのか」「なぜそれを作成したいのか」などを聞きあって整理していきました。
そして次のステップに向けての話もしました。
3日間はあっという間に終わってしまいました。
6月 北海道回
北海道回(札幌市)は6/29(金)~7/1(日)に行われました。
初日ではさくらインターネットの石狩データセンターを見学しました。
サーバールームや会社の特徴などの話を聞くことができ、めったに聞くこと・見ることができないことを体験できました。
見学後はホテルに着いたら今年度のSecHack Tシャツが配布されました。
3日間あるので三着分。
今年度のテーマカラーが青なので青系だそうです。
二日目の午前中はくぼたつ道場が行われました。
くぼたつ先生(久保田達也さん)によるアイディア発想です。
僕はアイディアなどの発想が苦手意識があったので少し抵抗があったのですが、思いきって取り組んでみました。
その結果少し楽しさを感じることが出来ました。
午後はトレーナーの方による豪華縁日とコースワークが行われました。
縁日は10つくらいのテーマがあって2つまで参加できました。
エキスパートのトレーナーから直接教わることが出来てとても貴重な縁日でした。
コースワークでは思索駆動コースは神奈川回以降からオンラインゼミが行われていて、その内容について議論をしたり、今後の道筋などを話し合いました。
オンラインとオフラインで話をするのはやはりオフラインで話す方が楽しく、話が弾んで良い議論ができました。
既にある程度方向性が固まっている人はその開発に取り組んでいました。
最終日はコースワークとランクアップだけでした。
何をテーマに一年間作り上げていくのかを思索しました。
僕はある程度方向性は固まってきた感じで終わりました。
8月 福岡回
福岡回(福岡市)は8/22(水)~8/24(金)に行われました。
初日は株式会社ヌーラボに訪問しました。
講演やディスカッションを行い起業やサービスの運営など細かい部分まで話が聞けました。
その後に修了生によるLTがありました。
今回は3名の1期生の方が招かれて、3日間を通してアドバイスなどをいただきました。
夜は習慣化とマンダラートの話で終わりました。
2日目は中間発表が行われました。
ひとり5分の持ち時間で現時点での成果発表会までに作り上げたい内容をプレゼンしました。
年上順から発表だったので僕は最後の方でした。(最後から8番目)
お昼後の合間にくぼたつ道場が行われました。
今回は自然発想法で実際にホテルの前にあるきれいな海に行き、楽しみました。
最終日は検事さんによる論理セッションが行われました。
3日間を通してとても意見交換が出来てやる気も上がりました。
10月 山形回
山形回(山形市)は10/12(金)~10/14(日)に行われました。
行ったらすぐに今年度のパーカーが配布されました。
初日はオープニングが終わったらすぐにポスター展示が行われました。
事前に作成していたポスターを元に3回に分けて60分ずつトレーナ・トレーニーに見てもらったフィードバックを貰いました。
60分ずっと話続けてると喉がカラカラになりましたw。
既にデモのようなところまで完成度を持ってきているトレーニーもいました。
2日目は修了生のLTやポスター展示のレビュー整理・直しなどがありました。
今回は4名の修了生が招かれて応援のLTが行われました。
昼食後にリフレッシュでロープウェイに乗って山の頂上や湖などを回りました。
とても寒かったですw。
夕方頃に埼玉工業大学の服部聖彦さんの講演が行われました。
CanSatという小型衛星などの話を聞けました。
夜はトレーナーを囲む会というのが行われ、トレーナーの持ちネタのような話を聞く時間がありました。
最終日はコースワークや相談時間がありました。
次回はデモ展示が行われるのでそれに向けての話をしました。
この山形回では作成物をどうするかなどのアイディアを固める回でもありました。
3日間を通していろんなフィードバックを得ることができ、ハロウィン感のある回で楽しく過ごせました。
11月 愛媛回
愛媛回(松山市)は11/30(金)~12/2(日)に行われました。(SecHack356ってw)
初日は大リハーサル大会が行われました。
4つのグループに分かれて一人10分プレゼンテーションを行いました。
内容からプレゼン方法まで細かくフィードバックを貰いました。
他の人のプレゼンも聞くことができ、刺激を受けました。
夜は米国のサイバー軍に所属しているCharles Jacob Cadwellさんの講演がありました。
サイバー軍の話や米軍の使用しているシステムなどの話を聞くことが出来ました。
めったに聞くことのできない内容で面白かったです。
2日目はデモ&ポスター発表が行われました。
東京回に向けてのフィードバックを貰いました。
段々と最終段階に突入してきている感じです。
お昼後の合間にレクリエーションで奥道後を散策しました。
今回も修了生が3名招かれてLTが行われました。
夜には2名の方によるゲスト講演がありました。
1名はNextremer・高知AIラボの興梠さんによるAI・ディープラーニングの講演がありました。
会社の取り組みなどの話があり、とても興味深い内容でした。
もう1名は落語家の桂三幸さんによる落語がありました。
PCやスピーカーを利用した落語でとても面白かったです。
最終日はいよいよ最終段階に向けての最後の相談時間でした。
沖縄回で発表に向けて真剣に話を進めていきました。
2月 沖縄回
沖縄回(南城市)は2/1(金)~2/3(日)に行われました。
沖縄回は1年を通して作り上げた成果物をSecHack内で発表する回をなってました。
2日間をかけて全チームが発表をしました。
1チーム持ち時間20分で発表をしました。
発表順はまたしても年上順でした。
無事に僕も発表をすることが出来ました。
伝えたい内容はしっかりと伝えることが出来たので良かったです。
最終日は優秀者の発表とゲスト講演などがありました。
朝食後にすぐ発表がされました。
今年度は6チームのテーマが選ばれました。
どれも納得のいく内容で歓声が湧きました。
ゲスト講演として沖縄オープンラボトリの山崎里仁さんの経験や苦労話などを聞けました。
ありがたい内容を聞けてとても感動しました。
午前の最後に最後のコースワークがありました。
思索駆動コースでは最後に一人一人コメントしたりして、一年間を振り返りました。
午後はレクリエーションで沖縄の聖地である斎場御嶽という所に行きました。
とても神秘的な所を散策できました。
そして海にも行きました。
天気もよくてとても気持ちが良かったです。
3月 東京回
東京回(秋葉原)は3/8(金)で行われました。
東京回は2018年度の最後の集まりで外部向けの最終成果発表会でした。
無事に修了することが出来ました。
#SecHack365 修了しました!
— morioka}0 (@scgajge12) March 8, 2019
一年間ありがとうございました!
これからもどうぞよろしくお願いします! pic.twitter.com/tg13h4yHmi
一年間があっという間に終わってしまった感が凄くありました。
でもその分、得たものは絶大なものだったのは確かです。
最後に(メッセージ)
SecHack365に参加して本当に人生を変える経験になりました。
多くの出会いや対話があり、僕にとって大きな力になりました。
思索メンバーとも多くの議論をすることで幅広い考え方やアイディアを得ることが出来ました。
技術的な面でも大いに成長でき、刺激を受け合えます。
参加条件にある誰でも参加する価値があるプロジェクトなのは間違いありません。
思索駆動コースの修了生としてアドバイスがあるとしたら
- 参加してやりたいことの熱意を文字で表現して猛烈にアピールしてみてください
- 自分に素直なって斬新で面白いアイディアを出してみてください
選考には定員制限があるので絶対とは言えませんが、頑張って応募項目を埋めてみてください。
選考時にトレーナーは年齢や学校名などは気にしない(伏せて?)で選考をしているそうです。
なので僕のように大学生・大学院生でない方でも自信を思って応募項目を埋めて、提出してみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
SecHackの応募を少しでも考えている人はぜひ応募してみてください。
とても良い一年間(一年後も)になると思います。
不安や悩みがある方はコメントやDMでも相談に乗りますので声を掛けてください。
ありがとうございました。