1. 始めに
こんにちは、morioka12 です。
本稿では「AWS Community Builder」に選出された話について紹介します。
想定読者
- クラウドに興味がある学生
- AWS (Amazon Web Services)を利用している方
この度 AWS Community Builder に選出されました!!
— morioka12 (@scgajge12) March 4, 2024
カテゴリーは Security and Identity です!#AWSCommunity #AWSCommunityBuilders pic.twitter.com/y5psEw9fNe
2. AWS Community Builders
AWS Community Builders Program
AWS コミュニティビルダーズプログラムは、知識の共有や技術コミュニティとの連携に熱心な AWS 技術愛好家や新興のソートリーダーに、技術リソース、教育、ネットワーキングの機会を提供するプログラムです。
このプログラムでは、AWS の内容領域専門家が有益なウェビナーを提供し、最新サービスに関する情報を含め、技術コンテンツの作成、リーチの拡大、オンラインおよび対面でのコミュニティにおける AWS 知識の共有に関するベストプラクティスなどを共有します。このプログラムでは、年間限定数のメンバーを受け入れます。
また、現在の Community Builder の認定者は以下の Web ページで公開されています。(2024年からの方は近々追加予定)
ちなみに、Community Builder の認定者は年に1回の更新申請が必要で、継続的にアウトプットや活動をしているかの審査があります。
カテゴリー
Community Builder にはカテゴリーがあり、以下のような分野があります。
- Cloud Operations
- Containers
- Data
- Dev Tools
- Front-End Web & Mobile
- Game Tech
- Graviton Arm
- Machine Learning
- Networking & Content Delivery
- Security & Identity
- Serverless
- Storage
ちなみに、私は「Security & Identity」で選出されました。
特典・メリット
Community Builder に選ばれると、例えば以下のような特典があります。
- AWS Community Builders 専用のグローバルな Slack に招待される
- 毎週開かれる各種セッションに参加できる
- AWS のグローバルな開発チームと直接やり取りやサポートが受けられる
- AWS が主催する re:Invent の割引クーポンが貰えたり、地域別のイベントに招待される
- AWS アカウントのクレジットが貰える
- AWS Community Builders の限定 Swag (グッズ)が貰える
他にも多くの特典があるようで、AWS ユーザーにとって魅力的なプログラムとなっています。
(Community Builder は AWS と個人で NDA を結ぶため、パブリックに言えないことも多々あり。)
3. Community Builder になるには
年 1 回の応募審査があり、合格者は年 1 回招待がなされます。
このプログラムに参加するための特別な条件はありませんが、ブログ投稿、ビデオ、オープンソースへの貢献、プレゼンテーションなど、他の AWS に特化したビルダーを支援する技術コンテンツの証拠と精度が重視されます。AWS re:Post、Stack Overflow、Reddit 等への投稿など、オンラインでの知識共有も考慮されます。リンクは一般の方が閲覧可能であることが条件となります。
選考のポイントは、以下のような点があります。
- AWS に関するブログ記事やスライドなどのアウトプット
- AWS に関する登壇や運営などの活動実績
応募フォームが開示されたら、直近1年間のアウトプットや活動実績を英語で記載して応募します。
また、応募条件には「18歳以上の方」なら誰でも応募可能なため、学生の私も Community Builder を知って応募してみました。
AWS コミュニティビルダーズプログラムには、18 歳以上の方で、AWS の構築に情熱をお持ちの方であれば、どなたでも参加することができます。世界中の AWS テクニカルビルダーが応募可能であり、興味のある方ならどなたでも応募できますので、ぜひご応募ください。
ちなみに、この AWS Community Builders Program はグローバルなプログラムのため、世界中の AWS ユーザーが応募している中から選出されます。
応募フォームの項目
応募フォームの項目に関しては、以下の沼口さんのポスト(ツイート)の Reply に記載が残っています。
AWS Community Builders の2024年上半期の応募がはじまっています。1月28日までとなっております。英語ページのみ更新されているので気がつかない人もいるかもしれません。本当に外資系の嫌なところが出ていてすみません。英語ページから申込みページのリンクを開いてぜひチャレンジしてください!…
— 猫を愛するAWSサメグループ担当 (@numaguchi) January 17, 2024
応募フォームでは過去12ヶ月での一般公開されているアウトプットやコミュニティの活動がわかるLinkを記入してもらって、ご自身の知見や経験を公開し共有している活動を教えてもらいます。ただし、フォーカスしている活動エリアを一つえらんでもらいます。
以下のエリアから1つ選びます。1)Cloud Operations 2)Containers 3)Data 4)Dev Tools 5)Front-End Web and Mobile Development 6)Machine Learning and GenAI 7)Networking and Content Delivery 8)Security and Identity 9)Serverless の9つのエリアから1つ。
どんな活動をしているか?の質問では、以下の6の活動タイプでの「頻度(Never/Daily/Weekly/Monthly/Quarterly/Yearly)」を聞きます。1)Authoring technical blogs 2)Speaking about AWS at public events 3)Hosting/organizing events or Meetups 4)Answering AWS questions online 5)Contributing to open source projects 6)Sharing AWS insights on social media
途中補足情報を入れながら、選択したエリアでの活動を表示する具体的なアウトプットへのリンクを最低でも2つ記入します。4つ入力可能。一般公開が条件でログインが必要なリンクは評価対象になりません。最近加えられた注意事項でGenAIが作成したテキストかどうかもチェックする、とあります。
Optionalの質問で、AWSサービスを使ってつくったアプリケーションがあれば、それについて教えてほしい、そこからなにを学んだかも教えてほしいと聞いています。
個人のオンラインプロファイルのリンク入力を促します。LinkedIn、YouTube、TikTok、Blog、GitHub/Lab、X/Twitter、Mastodon/Fediverse、Threads、Instagram、SlideShare/SpeakerDeck、Personal Web Site URL、Other URL の入力ボックスがあります。
他、各種確認の項目が続き、最後によければ Submit Application ボタンを押してください、という確認画面になります。以上で終了です。一度登録したら、同じ AWS Builder ID での再登録は、この期間中はできません。ご了承ください。
募集スケジュール
私が応募した2024年の募集は、以下のようなスケジュールでした。
- 募集期間: 1/15(月) ~ 1/28(日)
- 結果通知日: 3/4(月)
次回の募集時期は、2025年1月のようです。
2024 年の申請は終了しました。2025 年 1 月の申請サイクルのウェイティングリストにご自身の名前を追加してください。
次の募集に挑戦する方は、AWS Community Builders の Web ページ にある「Add your name to the waitlist」に登録しておくと良いです。
応募するのは「タダ」なので、ぜひ気軽に取り組んだことを書いて応募してみましょう。
4. 筆者のバックグラウンド
今回、Community Builder には初めて応募してみて、嬉しいことに選出されました。(倍率を知ってビックリしました)
応募時(2024年1月)の私のバックグラウンドは、以下のようでした。
- 情報系の専門学生 (4年生)
- 2024年4月から新卒のセキュリティエンジニア
- AWS に関するブログ
- 2024/01/22: オフェンシブ視点による Cloud Security 入門 ~AWS 編~
- 2024/01/06: CTF Cloud 問題の攻撃手法まとめ(2023年版)
- 2023/11/11: AWS Security Team に脆弱性を報告してみた話(WIP)
- 2023/09/04: フィッシングによる AWS ログインの MFA 認証の回避と事例
- 2023/08/31: Security-JAWS DAYS 参加記&CTF作問者解説
- 2023/08/31: Amazon EC2 におけるセキュリティ(脆弱性)事例
- 2023/05/22: CTF Cloud 問題の攻撃手法まとめ(2022年版)
- AWS に関する登壇や運営
- 2023/08/27: Security-JAWS #30
- 運営&作問(CTF)
- 2023/08/27: Security-JAWS #30
その他、2023年以前のブログ・活動 (クリックで表示)
基本的に、攻撃者視点の Cloud Security について検証したり、ブログ書いたりなどをしていました。
Community Builder の選考には、直近1年間くらいの内容を見るという記載が募集フォームにあったため、基本的に2023年の内容で選考されたと思われます。
おすすめの活動
個人的な経験を踏まえて、以下のような点に取り組むことをおすすめします。
- AWS に関する内容で、ブログなどでアウトプットする
- JAWS-UG などの技術イベントに参加する or 登壇する or 運営する
どちらも、気軽に誰でも取り組むことが可能なため、おすすめです。
JAWS-UG は色々な支部が存在しているため、自分の興味分野の支部や身近な支部などに参加してみると良いと思います。
JAWS-UGの支部とは、AWSに興味のある人が地域やテーマごとに集まるグループ(趣味仲間)の構成単位で、関心のある人は誰でも参加、貢献をすることができます。
直近でも JAWS DAYS 2024 があったりしました。
5. その他
AWS のグローバルコミュニティプログラム
AWS が提供する「個人ベースで認定されるプログラム」は、以下のようにあります。
- AWS Community Builders
- 18歳以上の方なら誰でも自薦で応募可能なプログラム
- AWS に関して特にアウトプットや活動をしている方が認定される
- AWS Heroes
- AWS 社員による他薦でノミネートされるプログラム
- Community Bulders よりさらに各カテゴリーで特化したアウトプットや活動をしている方が認定される
- AWS Cloud Club (Cloud Club Captains)
- 18歳以上の学生にフォーカスした学生限定のプログラム
AWS Global Programに応募・更新する上で選出されるための当たり前なこととは
6. 終わりに
本稿では「AWS Community Builder」に選出された話について紹介しました。
学生中のアウトプットや活動で選出された一つの事例として、参考になれば幸いです。
ぜひ学生の方も(社会人の方も)、気軽にアウトプットしたり技術イベントに参加したりしてみてください。
また、Community Builder を勧めてくれた AWS Security Hero の吉江さんや、登壇などの機会をいただけた Security-JAWSの運営メンバーの方々に感謝申し上げます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。